飲食業界トレンド
【2026年10月調査】食品消費税1%で飲食店の6割が「店内客は減る」|テイクアウト緊急調査
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「食品の消費税が1%になったら、店内で食べるお客様は減るのでは?」――2027年4月の消費税率引き下げを前に、そんな不安を抱える飲食店が増えています。
テイクアウトやデリバリーは1%に下がる一方、店内での食事は10%のまま。税率の差が9ポイントに広がることで、お客様の「食べ方」が変わるかもしれません。
本記事では、飲食店向け予約管理システム(予約台帳)で全国15,000店舗以上の飲食店を支援してきたebicaが、導入店43店と外食企業13社に行った緊急調査の結果を、プレスリリースでは紹介しきれなかった業態別・規模別の違いや現場の声まで含めて詳しく解説します。
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テイクアウトでも店内でも、まずは「見つけてもらう」ことから。
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この記事の要点
飲食店の予約管理システム「ebica」を導入する飲食店43店へのアンケート(2026年10月15日〜21日)と、外食企業13社の経営層へのヒアリングから、次のことがわかりました。
- 2027年4月に予定される食品の消費税率引き下げ(8%→1%)で、飲食店の63%が「店内で食事をするお客様は減る」と予想しています。「増える」と答えた店は0店でした。
- 飲食店の58%がテイクアウト・デリバリーの売上を「増やしたい」と答えています。ただし、居酒屋・バー(18店中8店)や1〜5店舗のお店(17店中8店)では、「増やしたい」は半数を下回りました。
- テイクアウト・デリバリーを実施している31店の悩みは、「注文数が伸びない」が58%で最多です。「スタッフが不足している」の23%を大きく上回りました。
- いちばん大きな悩みを1つ選ぶと、「注文数が伸びない」と「新規顧客の獲得が難しい」があわせて48%で、集客の悩みがほぼ半数を占めました。
- 施行まで半年を切った時点で、42%の飲食店が「対応方針をまだ決めていない」と答えています。
この記事の目次
食品の消費税1%で何が変わる?
店内10%とテイクアウト1%の差
2027年4月から2年間、飲食料品の消費税率を8%から1%に下げる法案が、いま国会で審議されています。対象はスーパーで買う食料品と、飲食店のテイクアウト・デリバリーです。店内での食事は10%のまま変わらない見通しのため、店内とテイクアウトの税率の差は、今の2ポイントから9ポイントに広がります。
食品の消費税1%とは、2027年4月から2年間、スーパーの食料品や飲食店のテイクアウト・デリバリーにかかる消費税率を8%から1%に下げる予定の措置です。 店内での食事やお酒は対象外で、10%のままです。
| 飲食店での提供の仕方 | 現在の税率 | 2027年4月〜(予定) |
|---|---|---|
| 店内での食事(イートイン) | 10% | 10%(変わらない) |
| 酒類 | 10% | 10%(変わらない) |
| テイクアウト(持ち帰り) | 8% | 1% |
| デリバリー(出前・宅配) | 8% | 1% |
| 店内とテイクアウトの差 | 2ポイント | 9ポイント |
※法案は2026年10月時点で審議中です。2027年4月からの実施は、法案の成立が前提です。また、税率の引き下げは2年間の時限措置で、2029年4月に8%へ戻る予定です。
制度の最新情報は、国税庁の消費税率引下げ特設サイトをご確認ください。※1
調査の概要
アンケートには43店、ヒアリングには外食企業13社の経営層が答えてくれました。回答した43店のうち31店(72%)は、すでにテイクアウトかデリバリーを実施しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| アンケート | 2026年10月15日〜21日、Webアンケート。ebica導入店から有効回答43店 |
| ヒアリング | 2026年9月7日〜10月14日、対面での聞き取り。ebicaを導入している大手外食企業13社の経営層 |
| 業態 | レストラン・専門料理店22店、居酒屋・バー18店、カフェ・喫茶店2店、ファストフード1店 |
| 運営店舗数 | 31店舗以上19店、11〜30店舗2店、6〜10店舗5店、1〜5店舗17店 |
| 回答者の立場 | 店長・店舗責任者16人、本部・運営会社の担当者15人、店舗経営者・オーナー11人、店舗スタッフ1人 |
| テイクアウト・デリバリーの実施状況 | テイクアウトのみ15店、両方13店、デリバリーのみ3店、どちらもしていない12店 |
| 所在地 | 16都道府県 |
※ebica導入店を対象とした調査で、全国の飲食店全体の傾向を示すものではありません。割合は小数点以下を四捨五入しています。回答数が少ない業態・規模は、割合ではなく件数で示しています。
結果1:63%が「店内のお客様は減る」と予想。居酒屋・バーでは18店中14店
税率の引き下げ後、店内で食事をするお客様の数について聞いたところ、63%(27店)が「減る」と予想しました。「増える」と答えた店は1店もありません。
Q. 消費税率の引下げが実施された場合、店内飲食の利用客数はどのように変化すると予想しますか?(n=43)
大きく減ると思う(6店)
やや減ると思う(21店)
ほとんど変わらないと思う(13店)
わからない(3店)
増えると思う(0店)
出典:エビソル「飲食店のテイクアウト・デリバリー対応に関する緊急調査」(2026年10月、調査期間:2026年10月15日〜21日、ebica導入店43店)をもとに作成
業態別に見ると、居酒屋・バーの不安がより強く出ています。「減る」と答えたのは、居酒屋・バーで18店中14店、レストラン・専門料理店で22店中12店でした。
店内のお客様が「減る」と予想した店の割合(業態別・店舗規模別)
業態別
居酒屋・バー(18店中14店、n=18)
レストラン・専門料理店(22店中12店、n=22)
店舗規模別
1〜5店舗を運営(17店中12店、n=17)
31店舗以上を運営(19店中10店、n=19)
出典:エビソル「飲食店のテイクアウト・デリバリー対応に関する緊急調査」(2026年10月、調査期間:2026年10月15日〜21日、ebica導入店43店のうち該当区分)をもとに作成
店舗数で見ても、1〜5店舗を運営するお店のほうが「減る」と考える割合が高くなりました。回答数は多くないため傾向として見ていただきたいですが、お酒と一緒に店内で過ごす時間が中心の業態や、小さな規模のお店ほど、影響を心配していることがうかがえます。
結果2:58%が「テイクアウトの売上を増やしたい」。ただし、不安が強い業態ほど慎重
今後のテイクアウト・デリバリーの売上について聞いたところ、58%(25店)が「増やしたい」と答えました。 一方で、19%(8店)は「実施する予定はない」と答えています。
Q. 今後、テイクアウト・デリバリーの売上を増やしたいと考えていますか?(n=43)
積極的に増やしたい(12店)
できれば増やしたい(13店)
現状を維持したい(3店)
まだ決めていない(7店)
実施する予定はない(8店)
出典:エビソル「飲食店のテイクアウト・デリバリー対応に関する緊急調査」(2026年10月、調査期間:2026年10月15日〜21日、ebica導入店43店)をもとに作成
お客様の動きについては、51%(22店)が「店内での食事からテイクアウト・デリバリーに切り替えるお客様が増える」と予想しました(「大きく増える」5店、「やや増える」17店)。「変わらない」は16店、「わからない」は4店、「やや減る」は1店です。
注目したいのは、結果1で「店内のお客様が減る」と答える割合が高かった区分ほど、テイクアウトを「増やしたい」と答える割合が低いことです。
| 区分 | 「店内客は減る」 | 「テイクアウトを増やしたい」 |
|---|---|---|
| 居酒屋・バー(18店) | 14店(78%) | 8店(44%) |
| レストラン・専門料理店(22店) | 12店(55%) | 14店(64%) |
| 1〜5店舗を運営(17店) | 12店(71%) | 8店(47%) |
| 31店舗以上を運営(19店) | 10店(53%) | 12店(63%) |
出典:エビソル「飲食店のテイクアウト・デリバリー対応に関する緊急調査」(2026年10月、n=43のうち該当区分)
居酒屋・バーや小規模のお店は、店内のお客様が減ることを心配しながらも、テイクアウトで取り戻す道を選びにくい状況にあります。自由回答には「1人で調理するため、店内の注文と重なる」「出来立てを出すことがいちばん」といった声があり、人手や業態の特性が壁になっている様子が見えます。
店内のお客様をどう守る?

「店内客は減る」と予想した居酒屋・バーは78%。同じ業態のお店が、予約や集客でどんな工夫をしているのか、ebica導入店の事例をまとめました。
「居酒屋業態」導入事例集📕
結果3:いちばんの悩みは「見つけてもらえない」こと
テイクアウト・デリバリーを実施している31店に、運営で困っていることを聞きました(複数回答)。最も多かったのは「注文数が伸びない」で58%(18店)。「スタッフが不足している」の23%(7店)を大きく上回りました。
Q. テイクアウト・デリバリーの運営で、現在課題に感じていることは何ですか?(複数回答)(テイクアウト・デリバリー実施店 n=31)
注文数が伸びない(18店)
容器・包装資材の費用が高い(14店)
新規顧客の獲得が難しい(11店)
外部サービスの手数料が高い(11店)
注文受付や管理に手間がかかる(10店)
スタッフが不足している(7店)
配達や受け渡しの負担が大きい(4店)
会計・決済に手間がかかる(1店)
特に課題はない(4店)
出典:エビソル「飲食店のテイクアウト・デリバリー対応に関する緊急調査」(2026年10月、調査期間:2026年10月15日〜21日、テイクアウト・デリバリーを実施しているebica導入店31店)をもとに作成
「いちばん大きな悩み」を1つ選ぶと、ほぼ半数が集客の悩み
同じ31店に、いちばん大きな悩みを1つだけ選んでもらいました。「注文数が伸びない」が8店、「新規顧客の獲得が難しい」が7店で、あわせて15店(48%)。費用や人手よりも、「お客様に知ってもらい、選んでもらうこと」を最大の課題とする店が多い結果です。
Q. 課題のうち、最も大きなものを1つ選んでください(テイクアウト・デリバリー実施店 n=31)
集客の悩み(注文数が伸びない+新規顧客の獲得が難しい):15店(48%)
注文数が伸びない(8店)
新規顧客の獲得が難しい(7店)
注文受付や管理に手間がかかる(3店)
外部サービスの手数料が高い(3店)
容器・包装資材の費用が高い(2店)
スタッフが不足している(2店)
配達や受け渡しの負担が大きい(2店)
店内のお客様への影響(1店)
特に課題はない(3店)
出典:エビソル「飲食店のテイクアウト・デリバリー対応に関する緊急調査」(2026年10月、調査期間:2026年10月15日〜21日、テイクアウト・デリバリーを実施しているebica導入店31店)をもとに作成。割合は小数点以下を四捨五入しているため、合計は100%になりません。
注文の受付は「電話」と「外部サービス」が中心。自社のWebは2割
31店に注文の受け付け方を聞くと、電話が21店(68%)、Uber Eatsや出前館などの外部サービスが19店(61%)、店頭が15店(48%)でした。自社のWebサイト・アプリで受け付けている店は6店(19%)にとどまります。
外部サービスは多くのお客様の目に触れる一方で、「外部サービスの手数料が高い」と感じる店も35%います。自由回答には「手数料込みの価格になり、高くなって注文が増えない。かといって価格を下げられない」という声もありました。外部サービスだけに頼らず、自分のお店の窓口からも見つけてもらえるようにすることが、次の課題になりそうです。
自分のお店は、どれくらい「見つけてもらえて」いる?

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結果4:42%が「対応方針をまだ決めていない」。テイクアウト未実施の店ほど様子見
税率の引き下げに向けた対応を聞いたところ(複数回答)、42%(18店)が「まだ対応方針を決めていない」と答え、最も多くなりました。 テイクアウト・デリバリーを「新たに始める」「強化する」と答えた店も、あわせて42%(18店)です。
Q. 2027年4月に予定されている飲食料品の消費税率引下げに向けて、どのような対応を検討していますか?(複数回答)(n=43)
まだ対応方針を決めていない ※(18店)
既存のテイクアウトを強化する(12店)
メニューや価格を見直す(11店)
既存のデリバリーを強化する(9店)
現在の営業形態を維持する(7店)
デリバリーを新たに始める(5店)
レジ・会計システムを変更・改修する(4店)
制度の内容を十分に把握していない(3店)
テイクアウトを新たに始める(2店)
※自由記述で「不明」と答えた1店を含みます。
出典:エビソル「飲食店のテイクアウト・デリバリー対応に関する緊急調査」(2026年10月、調査期間:2026年10月15日〜21日、ebica導入店43店)をもとに作成
「メニューや価格を見直す」が26%と、強化策と並んで多く挙がりました。自由回答でも「税が変わっても値段はそのままの予定。お客様に受け入れられるか心配」という声があり、価格の決め方は多くのお店に共通する悩みです。
まだテイクアウトをしていない12店では、9店が「店内客は減る」と予想
テイクアウトもデリバリーもしていない12店に絞ると、9店が「店内のお客様は減る」と予想しています。ところが、テイクアウト・デリバリーの売上を「増やしたい」と答えたのは12店中3店で、7店は「実施する予定はない」と答えました。「減る」と予想した9店のうち7店は、対応方針をまだ決めていないか、制度の内容を十分に把握していないと答えています(「不明」の1店を含む)。
「始めない」理由として、「商品の品質が担保できない」「店内空間や接客で選ばれているので、接客力をさらに磨く」といった声がありました。テイクアウトを始めることだけが答えではなく、店内での食事の価値を高めるという選択をする店もあります。
現場の声:テイクアウトに力を入れる店と、店内に集中する店
外食企業の経営層へのヒアリングでは、見通しを聞けた11社のうち7社が、減税は「外食にとってプラスではない」「影響は出る」と答えました。テイクアウトへの向き合い方は、企業によって分かれています。
「決してプラスではないと思っている。その分、テイクアウトには力を入れなければと考えている」(外食企業・経営層)
「テイクアウトは一度に多くの注文が入ることがあり、店内のお客様への料理の提供が遅れかねない。店内での食事に力を入れる」(外食企業・経営層)
アンケートの自由回答からも、いくつか紹介します。
競争
「新しく始める店が増えて、少ないパイの奪い合いが起きる」(居酒屋・バー/31店舗以上)
価格
「外部サービスは手数料込みの価格になるので、高くなって注文が増えない。かといって価格を下げられない」(レストラン・専門料理店/1〜5店舗)
「税が変わっても値段はそのままの予定。お客様に受け入れられるか心配」(レストラン・専門料理店/1〜5店舗)
お客様の考え方と、2年後の見通し
「お客様の考え方を知り、それを踏まえて動かないと施策を失敗しそう。2年後に消費税が戻るのか、さらに増税があるのかで、今後の動きが変わる」(レストラン・専門料理店/31店舗以上)
品質と人手
「出来立てを出すことがいちばん。テイクアウトだけでは売上に強い不安が残る」(居酒屋・バー/1〜5店舗)
「今後テイクアウトをやるとしたら、1人で調理するため、店内のご注文と重なることが心配」(居酒屋・バー/1〜5店舗)
「大手チェーンから夫婦2人の個人店まで、規模も業態も立地もさまざま。すべての飲食店がテイクアウトやデリバリーに対応できるわけではない」(居酒屋・バー/1〜5店舗)
※自由回答は、意味を変えない範囲で表記を整えています。
まとめ:減税までの半年で、お店ができること
今回の調査では、店内のお客様が減ることを心配しながら、テイクアウトという新しい「食べ方」でお客様とのつながりを保とうとする飲食店の姿が見えました。一方で、テイクアウトをしているお店のいちばんの悩みは「見つけてもらえない」ことでした。調査結果をふまえると、施行までの準備として次のようなことが考えられます。
STEP 1自分のお店の窓口で、見つけてもらう
外部サービスだけでなく、Googleマップ(Googleビジネスプロフィール)や自社サイトに、テイクアウトの有無・メニュー・受け付け方法を載せておくと、お店を探している人の目に留まりやすくなります。
調査では:テイクアウトの悩み1位は「注文数が伸びない」(58%)。自社のWebサイト・アプリで注文を受け付けている店は19%でした。
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STEP 2店内に来てくれたお客様に知らせる
いま店内で食事をしているお客様は、お店の味をすでに知っている人です。切り替えるお客様が増えると考えるなら、まずは来店客にテイクアウトがあることを伝えるところから始められます。
調査では:51%の店が「店内での食事からテイクアウト・デリバリーに切り替えるお客様が増える」と予想しています。
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STEP 3価格の方針を早めに決める
税率が変わったときに値段を据え置くのか、見直すのか。多くのお店が悩んでいるポイントです。
調査では:26%の店が「メニューや価格を見直す」と答えています。
テイクアウトを始めない場合は|店内で過ごす価値を磨く
人手や品質の面からテイクアウトを選ばないお店もあります。その場合は、店内の体験や接客で選ばれ続けることが、減税後の大切な備えになります。
調査では:19%の店がテイクアウト・デリバリーを「実施する予定はない」と答えています。
税率が変わっても、お店がお客様を迎える気持ちや、店内で過ごす時間の価値は変わりません。ebicaは、予約の受付から顧客情報の活用、グルメサイトや地図サービスとの連携まで、お店とお客様が出会う場面を支えています。店内での食事を選ぶお客様とも、テイクアウトを選ぶお客様とも、お店がつながり続けられるよう、現場の声をもとにした仕組みづくりを進めていきます。
よくある質問
出典
※1:消費税率引下げ特設サイト|国税庁
※2:飲食料品に係る2年間の消費税引下げについて|茨城県(2026年9月15日の大綱閣議決定と、国税庁の広報資料の案内)
※3:エビソル「飲食店のテイクアウト・デリバリー対応に関する緊急調査」(アンケート:2026年10月15日〜21日、n=43/ヒアリング:2026年9月7日〜10月14日、外食企業13社)
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