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2023年に飲食店が取り組むべきWebマーケティング施策(1)〜国内の新規・リピーター集客編〜

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グルメサイトとダイレクト予約の併用の重要性

 コロナ禍では外食の絶対数が減りました。また、宴会ニーズの減少と、宴会の少人数化も多くの飲食店を悩ませる問題です。こうした状況下において、お店の売上を最大化するためには、効果的な席回転の実現が欠かせません。人手不足の中でそれを成し遂げるため、現在、ネット予約の重要性が高まっています。これから本格的に復活する見込みのインバウンド需要を取り込むためにも、ネット予約をスムーズに受け付けられる環境は必須でしょう。

 近年、スマートフォンの普及をはじめ、Google やInstagram、LINEなどの各プラットフォームによる飲食店検索・予約サービスへの参入やサービス強化により、消費者による飲食店の探し方が大きく変化しています。そうした変化に合わせて、「Google ビジネスプロフィール」やSNSなどの運用を始めた飲食店も多いのではないでしょうか。

 多くの飲食店が新規集客で活用してきたグルメサイト経由の予約は、送客人数によって価格が変わる従量課金です。一方で、「Google ビジネスプロフィール」やSNSは基本的に無料で利用することができるため、ダイレクトなネット予約獲得が可能となります。InstagramやLINE公式アカウントをフォローしてもらったお客様に定期的にお店の情報を発信することにより、再来店の促進を期待することもできるでしょう。コロナ禍でも売上が大きく落ち込まなかったお店は、このようなファンづくり(CRM施策)の取り組みを上手く活用していたところが多いとも言われています。また、人件費や原材料費などのコスト高騰を受けて、外食業界全体で利益が出づらい状況に陥っているなか、グルメサイトの活用方法を見直し、Google やSNSでリピーターを囲い込みながら、ダイレクト予約の確立に注力している飲食店も増えています。

 しかし、グルメサイトの活用を止めてしまうのは早急かもしれません。現時点でネット予約の61%がグルメサイト経由であり、まだまだ半数以上のお客様がグルメサイトを利用している実情があります。また、グルメサイトは不特定多数にアプローチできるだけでなく、エリア、人数、予算、利用シーンなどから空席のあるお店を横断で検索することもできます。こうした利便性の高さから、新規集客におけるグルメサイトの投資対効果は決して悪くありません。

 一方で、近年、「Google マップ」や「Instagram」検索で飲食店を新規開拓(検索・発見)する人が若い世代を中心に増えています。現に、予約の絶対数はまだ多くないものの20代を中心にSNSの写真や動画を使った検索が一般的になりつつあります。今後、Google マップやInstagramをはじめとしたSNSの活用を本格的に行っていく必要もでてくるでしょう。

 ただ、Google やSNSでは一度行ったお店のアカウントをフォローしたり、店舗名を直接検索して「Google ビジネスプロフィール」から予約したりするなど、リピーターや常連の利用が多いのが現状です。また、「Google ビジネスプロフィール」やSNSは基本的に自店で運用する必要があります。現在、外食業界では人件費が高騰し、人手不足が深刻化しています。そのため、人は人にしかできない料理やサービスに注力し、顧客満足度の向上を果たしてほしいと考えている飲食店も多いでしょう。つまり、ダイレクト予約が無料だからといって闇雲に各種SNS等の開設に手を出したとしても、適切な運用ができないと効果が出ないどころか古い情報がいつまでも掲出されることになり、負担ばかりが増えてしまいます。だからこそ、自店のリソースに合わせた計画をしっかりと立てた上で、運用していく体制づくりが大切です。

確かにお店の売上を安定させるためにはリピーターが大切ですし、無料で運用できるのも魅力です。しかし、それと同じくらい将来のリピーターを獲得するため、しっかりと投資をして新規のお客様を獲得することも大切です。だからこそ、グルメサイトも有効に活用していくことをおすすめします。重要なのはグルメサイトとダイレクト予約(※)の最適なバランスを模索し、効果的な活用を行うことです。その上で、中期的にお店の集客力を上げていくために、グルメサイトだけに頼らない仕組みを作る必要があるでしょう。

※ダイレクト予約:ネット予約において手数料がかからないサイトからの直接予約

ダイレクト予約の効果的な利用方法

 では、そもそもダイレクト予約は、どのようにすれば有効に活用できるのでしょうか。まずダイレクト予約を受け入れるには、「Google ビジネスプロフィール」やSNS、公式サイトに自前のネット予約フォームを設置する必要があります。その上で、お客様が外部サイトに離脱しないようにするための工夫を施しましょう。せっかくGoogle やSNSがきっかけとなってお客様から見つけてもらっても、ネット予約ができる導線がないと、グルメサイトの店舗情報に遷移されてしまうなどして、ダイレクト予約の機会を逃してしまいます。グルメサイトの自店ページからネット予約がされず、他店ページにお客様が流れてしまう可能性もゼロではありません。

 また、自店をよりスムーズに発見してもらうためにも、閲覧数の多い導線との連携が有効です。現在、コロナ禍前に盛り上がっていたインバウンド需要が回復傾向にあります。今後、インバウンド集客を積極的に取り込んでいくことを考えるとGoogleとの連携は必須です。その意味で、「Google ビジネスプロフィール」と「Google マップ」「Google で予約」などの機能をフル活用しながらダイレクト予約を増やすことは、とてもコストパフォーマンスの高い施策でしょう。合わせて新規来店からリピート来店、常連化の流れを作りながら予約総数を増やすとともに、ダイレクト予約の比率を上げていくことも重要になります。新規集客はグルメサイト、リピート来店はダイレクト予約という住み分けができるだけでも効果的です。

 もしグルメサイト経由の予約と、ダイレクト予約の管理が難しくなってきたら、「ebica」の「グルメサイトコントローラー」という機能を活用してください。全てのネット予約の管理を自動化できるのはもちろん、配席まで行った上で、それぞれのグルメサイトに空席情報を反映してくれるので、ダブルブッキングの心配もありません。

 ただ、ダイレクト予約で注意が必要なのは、グルメサイト経由との最適な比率は業態や席数によっても異なるということです。ダイレクト予約比率を100%にすることが目標ではありません。あくまでも売上や利益の最大化のための参考指標として捉えることが大切です。
「ebica」の分析機能を使うと、自店への流入経路を視覚的に把握することができます。グルメサイトはもちろん、SNSやホームページなど、複数の経路からネット予約を受付けている場合でも全ての予約数を一目で確認できるので、それぞれのサイトにログインして確認する手間がかかりません。また、POS連携をすれば、経路別の売上も正確に把握できます。こうしたデータを活用すれば店舗にあった効果的な集客経路を分析できるだけでなく、集客コストの最適化にもつなげられるでしょう。

 外食の絶対数が減った一方で、原材料費や人件費をはじめとしたコストの高騰が続き、外食業界全体が利益の出づらい状況に陥っています。その中で、無料で予約を取れるダイレクト予約の存在は、飲食店の心強い味方です。今後、インバウンド集客を取り込んで、ポストコロナ社会で成長を実現するためにも、適切な活用が欠かせないでしょう。


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